「今が、その時」

 春4月となり就職する人と退職する人、昇進する人とできなかった人、何も変わらない人など様々だと思いますが、何事にも順番があり良くも悪くも必ず自分の番がまわってくるものです。自分の番はまだまだだと油断していると、大事なところで慌ててしまいますから、普段からの緊張感や準備は大切です。


 どのような人にもチャンスはやってきます。そのチャンスに対する態度によって人生が決まっていきます。チャンスに気づかない人、逃げてしまう人、努力せずにつかもうとする人、なんとしてもつかもうとする人、チャンスをつかめるかどうかは運ではなく、自分で決めているのです。


 テレビの収録ならば、打ち合わせ、リハーサル、本番、編集と進みますが、人生はいきなり本番がやってきます。試されるのは「今まで何をやってきたか」なのです。人生に練習なし、つねに本番と覚悟して過ごすならば後悔することは少なくなります。「いつか、そのうち」ではなく「今が、その時」なのです。焦ることはありません。まずは明日のことよりも、今日の本番に挑みたいものです。

 

 

善をつかみ幸福なり

 この社会には善があり悪があり光があれば闇もありますが、どちらもこの社会を形作るものです。大切なことは何を求め、何を信じるかということです。幸・不幸とは外的な条件や環境ではなく、今の自分をどのように考えるかにかかっています。同じ生活をしていても、その生活を幸せだと思える人もいれば、不幸だと嘆く人もいます。「ありがたい」という感謝の心をもって暮らすことができれば、つねに心は安らかに満たされます。因果応報のひとつが善因善果です。善いことをすれば善い結果が訪れます。善を信じて、この社会の善に目を向け暮らしていれば、今の生活のなかに幸せの花が咲くようになります。

 

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変わるのは私です

 私達は相手を変えようと必死になります。もっと頑張ってほしい、もっと優しくしてほしい、もっと勉強してほしい、「もっと、もっと」と切りがありません。また、相手への要望のハードルは高くなるばかりで、相手を苦しめます。他人から言われて簡単に変われるならば苦労はありません。お互いにありのままの状態が自然です。しかし、そこに安住することなく、お互いに良き影響を与え合いながら成長していかなければなりません。自分が変われば、相手も変わります。お互いに責任を押しつけ争う関係から、お互いに認め合える成長の関係を築けるよう、より豊かな関係性を育んでいきましょう。

 

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一燈をかかげて

 一(いっ)燈(とう)照(しょう)隅(ぐう)という言葉があります。私達はそれぞれひとつの明かりであり、自分に与えられた場所を明るく照らさなければなりません。あなたにしかできない役割があり、活躍すべき場所があります。そういった役割や場所に気づけた人は幸せです。あなたに用意されている役割や場所は、ご縁のあった人々とのつながりのなかにあります。そこでいかに自分の力を発揮し周囲や社会に喜ばれるかを考えることが大切です。その思いがあなたを成長させ明るく輝かせてくれます。自分が必要とされているという思いは大きな活力にもなります。つながりのなかでお互いに支え合い生きる喜びを感じたいものです。

 

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南無の心で安らかに

南無とは神仏にすべて任せきる境地をいいます。私達には「できること」と「できないこと」があります。「できること」は自分で責任をもって努め、「できないこと」は人事を尽くして天命を待つという言葉もありますが、神仏にお任せすることで不安や苦悩から解放されます。また「できること」と「できないこと」を見極めることも大切です。できない人は「できないことばかり」をやろうとします。今の自分ができることに最善を尽くし、あとは神仏に任せ心安らかに待てば良いのです。神仏への信心は一朝一夕で得られるものではありません。日頃からの祈りが大切であり、大黒様との御縁を大切に南無の心を育んでください。

 

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人 一人では立てず

 色紙おみくじ20枚中5枚を新しくしましたので今回から5回にわたり紹介したいと思います。 

 人という字は二人の人間がお互いに支え合っている形だそうです。人間は一人で生きることはできません。人は生き方も価値観もそれぞれに違いますが、この違いを素直に認めることができないと苦しくなります。個性とは自分勝手なことをすることではなく、自分とは違う相手の生き方を認めることです。自分にはないものを持っている人、自分とは違う考え方の人、こういった人との出会いが新たなる刺激となります。またお互いに不足している部分を補うことにもなります。お互いに支え合い楽しく暮らしたいものです。

 

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いくつもの顔

 人はいくつもの顔を持っていると思います。仕事の顔、父親の顔、友人としての顔など様々です。それぞれの顔に求められるものがあり、仕事では上司としての厳しい顔、父親としては娘に甘いやさしい顔、友人とは乾杯する楽しい顔など、キャラの使い分けを無意識にしているものです。そのどれもが本人であり必要なものであり、上下優劣があるわけでもありません。ただキャラに応じて緊張感が伴うこともあれば、リラックスできるものあります。


 健全な人生にはバランスが大切です。どうしても仕事や人間関係には緊張感が伴いますから、その緊張を癒すリラックスの時間も必要です。家族との楽しい時間と友人との楽しい時間では違いますし、孤独を楽しむ時間も必要です。様々な顔で様々な時間を過ごすことで人生が豊かになっていきます。ひとつのものに没頭することが必要なこともありますが、長い目で見るならば多くの居場所と役割を持ったほうが良いと思うのです。それぞれの場所で求められる役割を担うことで人間の幅を広げることができます。


 ひとつの場所で負担が大きくなると、ストレス発散を求めるようになり、どこか違う場所の自分がゆがんでおかしくなってしまいます。自分にとっては楽しい時間でも、それが周囲の人々のストレスになってはいけません。ストレスを伝染させるのではなく、お互いが楽しめる時間としたいものです。