望まれる人

 人望は人に望まれると書き、徳望は人に望まれる徳と書きますが、自分本位ではなく、相手にとって、私という人間はどうなのかという視点が大切だと思うのです。そのように考えることで自らの欠点を補い、人としての深みを養うことができるのではないでしょうか。人の目を気にしすぎると、自分の思いを抑圧し迎合することでストレスになります。ですが、まったく気にしないと周囲の想いに気づくことができなくなります。


 第三者の目線で自分を見つめることも必要だと思うのです。これは相手の立場に立って考えるということでもあります。自分のことばかりを考えていると周囲とのギャップが大きくなってしまいます。自分は正しいと思っていても、良かれと思っていても、周囲の迷惑になっていることもあります。自分を客観的に見つめることは難しいものです。


 一人では生きられない社会だからこそ信頼関係が大切です。信頼は相手からどのように思われるかにかかっています。相手が求める言動を提供できるのか。さらにその言動が自分にとっても相手にとっても適切なものであるのか。さらには周囲をいつの間にか感化できるのか。相手の期待や想像を超えることができるのか。様々な経験のなかからお互いにとって正しい答えを見出せるよう人間力を磨いていくことで、望まれる人間に近づきたいものです。