もし1億円をもらう代わりに明日死んでしまうという条件を出されたら、1億円をもらう人はまずいないと思うのです。大金があっても使うことができなければ意味がありません。お金以上に命が大切なのです。表現を変えるならば私の明日には1億円以上の価値があるということです。それだけの価値を持つ命を持ちながら、その本来の価値を認識できないための苦悩があります。
今日という1日を過ごすだけでも素晴らしいはずなのに、楽しむことができずイライラして1日が終わってしまう。自己嫌悪で終わってしまう、険悪な関係のままで終わってしまう、後悔したまま終わってしまう。望まない形でせっかくの1日が終わってしまうのは残念なことなのです。もっと1日の価値を高められるよう、まずは意識から高めたいものです。せっかくの1日を素晴らしいものにしたいと毎朝想うだけでも違ってくると思うのです。
死後、閻魔大王の裁きを受ける時に浄玻璃鏡(じょはりのかがみ)の前に立たされ生前の行いを鏡に映されるといいます。最も善き善業は何か、最も悪しき悪行は何か。私は自分のなかで最も善かった行いも、悪かった行いも自覚できないでいます。鏡にどのような自分が映し出されるのか分かりません。ですから今日一日を大切にしていくしかありません。お金では買えない大切な1日に満足と感謝ができるようにしたいものです。