人生の期待値

 新聞の大学生調査で将来を考えた時に子供が欲しくないという回答が19%にのぼったそうです。うまく育てられる自信がない、自分の時間がなくなる、経済的に不安、子育てに伴う責任を負う自信がない、精神的に不安、子供を持つ必要性を感じないという順に理由があげられていました。男女比では女性が23.5%、男性が12.1%と女子学生にその傾向が大きいようです。コロナ禍や現在の物価高を経験している学生は将来の不安も強いようです。


 学生の頃は将来への期待と不安が入り交じるものですが、願わくば不安よりも期待を強く持っていただきたいものです。社会は人の心を反映するものです。不安が強ければ、その不安が現実となりやすいものです。知らないうちに不安を現実のものとしてしまうことがあるのです。たしかに自然災害は増えるばかりで、物価も高くなるばかりで、様々な不安材料がありますが、そのうえで楽観的に考えることができれば、そのように進むことができるかもしれません。


 人生は知性で成り立っているものではありません。考えることで答えがもたらされるものではなく、人知を超えたご縁や導きといったものが重要になると思うのです。大事な選択ほど知性に頼るよりも、流れというものに身を委ねたり、考えるよりも勢いで進んだほうが上手くいくこともあります。自分の世界にこもるほど不安が大きくなるものです。広い社会で前向きに様々な経験をしていくことで、自信をもって自分の人生の期待値を高めてほしいものです。