信頼あってこそ

 地方にあっては一見さんだけで商売が成り立つことはありません。地域や常連さんの信頼があってこそ良い仕事を継続していくことができます。ですが、信頼ほど脆いものはありません。たとえば10回のうち1回でも欲を出してしまった、イライラしてしまったというだけで信頼は失われてしまいます。いつも変わらず誠意と感謝があってこそ信頼関係が育まれていくものです。ですが、人間の精神状態には波があり、経営も順風満帆とはいかないものです。様々なマイナス要素があっても、そのうえでいかに誠意と感謝を保つかが問われるのです。


 よく付加価値ということを耳にしますが、お客様が価値と感じるだけのメリットがなければ意味がありません。利益というものは求めるものではなく、あとからついてくるものだと思うのです。誰しも風を感じることはできますが、風を追いかけたり捕まえることはできません。追いかけることをやめ待っていると、気持ちのよい風が吹いてくるものです。


 同じように利益もこの世界を巡っていますが、求めるものではないのです。お客様の財布ではなく、心に目を向けてさえいれば、自然と利益はついてくるものなのです。私達はそれぞれに与えられた役割があります。誠意と感謝をもってその役割に励んでいれば、心配しなくても過不足なくやっていくことができるのです。信頼や期待を裏切ることがないよう努めていきたいものです。