大切なものは

 新年を迎え今年大切にするべきものは何かと考えました。慌ただしい現代社会においては「あらためて考えてみる」という機会がなかなか持てないものです。そのため惰性の生活を強いられているのかもしれません。ですが、目的や意思がなければ充足した生活はありません。人間の最終的な目的が幸福だとしても、漠然とした幸福というものを、いかに具体的なものにするのか、いかに獲得していくのか、あらためて考えてみる必要があるのです。


 大切だと思うことと大切にしていることは違います。家族が大切だとして、時には面倒だと思っても負担に感じることがあっても、家族の幸せを願って関わることができているでしょうか。仕事が大切だと思っても、それは給料や出世のためなのか、それとも仕事を通して自分を成長させ社会に貢献できるからなのでしょうか。自分を大切にするとは、自分を甘やかすことなのか、自分の可能性を信じることなのか、大切にするといはどういうことなのでしょうか。


 日々の生活を見直して、考えて答えを探して行動して試行錯誤して習慣にしていくという作業は面倒なものです。盲目的に生活しているほうが楽なのですが、それは孤独や虚しさと紙一重の生活なのかもしれません。生きている実感とは、生活のなかに自分の意思が満ちているということが大切だと思うのです。世間の物差しに従う必要はありませんが、自分なりのこだわりを持ち、それを磨いていきたいものです。