猿が教えてくれたこと

 野生の猿がよく遊びに来ます。餌場を見つけるとまずボス猿がお腹一杯に食べます。その間は他の猿はじっと見ています。ボス猿はますます体が大きく強くなり、満足に食べられない他の猿はなかなか強くなれません。野生の厳しさを見たように思いますが、人間の世界も生まれながらに格差があり不平等なものです。ですが、猿の世界に比べれば、人間の世界は自分の気持ちひとつでいくらでも力をつけることができます。


 力にも様々ありますが、自分の適性に応じた力を養うことが大切です。苦手なことよりも得意なことに努力したほうが楽しく成果もあがるものです。陰ながらの努力というものは、誰かに邪魔されることがありませんから、いかようにも力をつけることができるのです。野生の世界では強いものを倒さなければなりませんが、人間の世界では相手を倒すことよりも、自分に負けない継続が求められます。


 野生の世界は厳しく強さを求められますが、人間の世界は強くなくても生きていくことができます。ですが、努力する必要がないということではありません。現状に甘んじても生活できますが、向上心を持って得意なことを作っていく、求められる自分の居場所や役割を作っていく、自分の人生を自分の力で開拓していくことは楽しいことではないでしょうか。