歩むべき道

 国会議員の裏金問題が社会に衝撃を与えています。擁護するわけではありませんが、新人議員として派閥に参加してみると、先輩達はみんなあたりまえのようにキックバックを受けており、不安はあっても同じようにするしかありません。集団とは個人の判断や価値観より、みんなと同じことを求められます。あまり聞かなくなりましたがビックモーターの不正問題も集団のなかで正しい判断ができなくなった結末のように思われます。


 お釈迦様は「犀の角のようにただ独り歩め」とおっしゃっています。正しいことをしようと思えば、自分の想いを突き詰めようとすれば、周囲に邪魔されない環境も大切になります。集団は大きな力を発揮することもありますが、お互いに足を引っ張ることもあれば、「みんなで渡れば怖くない」の感覚で今回のように問題が起こることもあります。人間には集団所属の欲求がありますが、あえて集団から離れることで得られる環境や心境もあるのではないでしょうか。


 自分というものを確立することができれば、集団への依存や苦悩はなくなります。もちろんその代償として孤独に苦しむようになるのでは意味がありません。大切なことは集団のなかにあっても、一人の道であっても、自分が正しいと思うことができる環境や意思を整えられるかどうかなのです。長いものに巻かれるのが楽であり人の情というものですが、そこを超えた先にこそ歩むべき道があるのではないでしょうか。