底なし沼に注意

 たとえば友人を食事に誘った時に「明日は忙しいのでゴメンなさい。」と言われたとします。普通であれば「急な誘いだったので、落ち着いた頃に今度はもっと早めに誘おう」とか「日程は合わせるので、いつなら大丈夫。」と考えたり聞いたりするかと思います。でも、そうではなく「断られてしまった。きっと私のことが嫌いなんだ。」と考えてしまう人がいるかもしれません。ですが、これは事実ではなく勝手な思い込みであり、不信の種をまくことになります。


 相手のリアクションに対する受け止めかたもそれぞれです。ですが、正しい判断を心がけなければなりません。被害妄想的な受け止めをしてしまうとお互いが不幸になってしまいます。不信の種をまいてしまうと事あるごとに、相手への不信が高まり、それが怒りとなり、関係を悪化させてしまいます。相手も原因が分からないまま悪意にさらされ離れていってしまいます。お互いに何も悪いことはしていないのに、勝手な思い込みのせいで疎遠になってしまうのです。


 人間関係が難しいのは、相手の想いを確認せず勝手に思い込んでしまうからです。ちゃんと確認すれば笑い話になるのに面倒だと怠ってしまうと勝手な不安や怒りが増幅されてしまいます。自分が思うほど相手は思っていないものであり、何事も考えすぎは良くありません。シンプルに考えシンプルに行動するのが賢明です。私達の心には底なし沼があります。あまり深く沈まないよう気をつけたいものです。