幸福度と時間の総数

 ある日の新聞お悔やみ欄に101歳と21歳がおられました。その差は80年です。ですが、人の生き死には自分で決めることができないものです。そして単純な年数で人生が決まるものでもありません。私は長さよりも、どれだけ懸命に生きたのか、自分の役割を果たせたのか、どれだけの人と関わり幸せな時間を過ごせたのか、やはり内容が大切なのだと思います。


 命の年数は分からないため若いうちは死を意識することはありません。時間は永遠にあると思い浪費してしまうものです。ミドル世代になれば忙しく日々の生活に追われているうちに年数が削られていきます。さらにシニア世代になっても働く時代となり人生を味わうという時間はなかなかありません。そして気づけばシルバー世代となってしまいます。ゆっくりのんびり人生を楽しむ時間を世代に関わらず持たなければならないと思うのです。


 いつかそのうちの人は、いつまでたってもその時は訪れないのかもしれません。また自分の人生を豊かにしたいという意識がない人は、時間だけが過ぎ去ってしまいます。1日わずか30分でも特別な時間にできる人が幸せな人なのです。よく時間だけは平等に与えられているといいますが、蛇口を閉めるのを忘れて水が流れ続けるような意識されない時間の使い方はいけません。水を大切にするように時間も大切にしたいものです。大切に使われた時間の総数がその人の幸福度になります。