偏見は個性なのか

 全国的に猛暑のニュースが連日続いています。東北の山奥にいると体温を超える気温を経験することがありません。そのため猛暑による命の危険には鈍感であるように思います。これも固定観念のひとつなのかと考えさせられます。私が育った時代はクーラーなどなくても平気でした。暑いといっても1ケ月程度であり、夜になれば涼しくもなりました。熱帯夜や残暑などありませんでしたし、35度を超えることなどもありませんでした。


 差別や偏見は慎むべきだといわれますが、誰しも生まれ育った環境や経験をもとに見方や価値観が育まれていきます。千差万別であり、統一することは難しいように思います。見方や価値観も個性といえるのかもしれません。ですが、その個性によって損をしたり不幸になるとしたならば、改めなければなりません。社会ではアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)という言葉が登場するほど厳しくなっています。


 まずは自分の見方や価値観が道理に適っているのか考えてみることです。自分の都合や利益しか考えない言動や身勝手な周囲への押し付けが、めぐりめぐって自分を不幸にしてしまうのです。公平・平等な見方や考え方ができればお互いおだやかに生活することができます。相手への配慮があれば差別や偏見に埋もれることはありません。小さな自分の世界から抜け出し広い世界を眺めるならば、自然と物事の見方も改まっていくのかもしれません。