闇バイトの誘惑

 闇バイトなるものが横行しているようです。面識もない者が集まり強盗をするなど考えもしませんでした。愚かな所業であり、すぐに捕まっては人生を棒に振ってしまいます。すぐに捕まること、今後の人生が大きく変わってしまうこと、家族をはじめ多くの人に迷惑をかけてしまうこと、少し考えれば容易に分かるはずなのです。こういった損得の計算ができなければなりません。この誘惑の顛末を考えられなければ、せっかくの人生を台無しにしてしまいます。


 人生の損得については家庭や経験から学ぶものだと考えています。基本的には「今は苦しくても頑張ることで耐えることで、この先が楽になる」という発想です。アリとキリギリスそのままなのです。ちゃんと勉強をする、素直に謝る、できないことは断る、安易に流されない、我慢をする、どれも人としてあたりまえのことなのですが、あたりまえのことが、あたりまえにできることが大切なのです。


 行き詰ったときにこそ真価が問われます。安易な誘惑に負けてしまうのか、それとも正しい道へと戻っていけるのか。そのポイントは自分の人生に責任を持ているかどうかだと思うのです。「どうせ自分になんて」と思っている人は、どこまでも落ちていってしまいます。損得や道理は分かっているのに、あえて奈落へと落ちていく印象を受けることもあります。自分の人生をあきらめない姿勢やどこまでも信じてくれる相手が必要だと思うのです。闇バイトに行きつくのは、これ以上ないくらい自分をダメにしたいという衝動なのかもしれません。その衝動に負けることなく正道に帰りたいものです。