次のステージへ

 住職になって3年が経ちました。おかげさまでコロナ禍にあっても忙しく法務に専念すべく、様々な役割を退くようにしています。副住職の頃は外の世界で様々な経験をして学ぶべき時期だったと思います。そしてお寺の世界ではなく、地域の活動に参加したからこそ、今までの自分にはなかった多くのことを学ぶことができました。これからは外で学んだことを自坊に活かすべき時期なのだと思うのです。


 外の世界は楽しいもので、役職など面倒だと思うこともありますが、やりがいのほうが大きいものです。その使命感や充実感は大きいのですが、反面本業からの現実逃避にもなりやすくバランスが大切でもあります。人生には様々な経験が大切だと思うのですが、何のための経験であり、何に活かしていくのかという視点がなければ、楽しいだけの経験で終わってしまうのかもしれません。


 それぞれの時期に学ぶべきこと為すべき役割があるのかもしれません。その時期を見極め執着することなく、次のステージに進まなければなりません。線路は続くよどこまでもと歌にありますが、人生も同じであり道草は必要でも、いつまでも居座ったのでは前に進めなくなってしまいます。学校は決まった年限で卒業がありますが、大人になれば出処進退は自分で決めなければなりません。生涯にわたり次々と役割が与えられると思うのですが、次の役割を楽しみに一歩踏み出したいものです。