ありがた迷惑

 ありがた迷惑ということがあります。本人は親切のつもりでしているのに、こちらからすれば迷惑であるということです。たとえば頼んでもいないのに手伝ってもらって、かえって仕事が混乱して遅くなってしまうことがあります。親切の押し売りとはいいませんが、悪意はないためかえって困ってしまうものです。


 どうして、こういうことが起こるのかといえば、自分の善意に翻弄されてしまうからです。行動の前に自分の想いと行動が相手のためになるかどうかを考えなければなりません。何も考えない衝動的な善意はかえって迷惑なものです。自分ではなく、相手の立場に立って考えることで、適切な親切をおこなうことができるのです。


 子供を甘やかすことは簡単ですが、それでは子供のためにはなりません。部下の失敗を指摘せず穏便に済ませれば、お互い楽なのですが、それでは相手のためにはなりません。何が本当の意味で相手のためになるのかを考えることは意外と難しいものです。自分にも相手にも厳しい態度で臨まなければ、善意を高めることはできないのです。