理想や模範の体現

 冬などは、あと30分ほど寝ていたいと思うことがあります。では30分早く眠れば快適に起きられるかといえば、そうではありません。1時間早く眠っても、朝になれば同じようにあと30分と思うものです。これは人間は理屈で生活していないことを表しており、自らの欲というものに大きく左右されていることを示しています。朝になれば眠いものは眠いというのが正直なところです。


 日々の生活とは本音を押し込む生活なのかもしれません。眠い、面倒、怖い、嫌い、さまざまな思いを上手にコントロールしながら、大人として適切な生活をしていかなければなりません。自らの弱さに負けない生活とも表現できると思うのです。それを不自由な生活と考えてしまってはいけません。自分を律してこそ自堕落を回避し、充実した生活へとつながるのです。


 私達の生活には理想や模範がなければなりません。そうでなければ現状に満足し楽なほうに流されてしまう生き物なのです。なかなか理想や模範の通りに生きることはできませんが、自分なりに体現しようとすることが大切だと思うのです。理想や模範の有無はその人の生き方に現れます。自分に負けることなく、歩んでいきたいものです。