人間を学ぶ

 神仏の御心を知らなければ、それに適った生き方はできません。仏教の教えとは仏様の御心に適った生き方をするための教えともいえます。その生き方の実践は仏教的な幸福への道でもあります。ただ闇雲に学ぼうとしたり修行しようとするよりも、物事の根底にある核心的な部分に意識を向けなければなりません。


 人間関係においても相手の心を知らなければ円滑な関係は築けません。お互いに相手の想いを理解し行動することが大切です。長年、一緒にいると何も言われなくても相手のことが分かり、自然と動けるものですが、それくらい相手を熟知しているわけです。これは、ただ長い時間を一緒にいるだけではなく、お互いの共感の積み重ねによるものだと思うのです。


 無関心・無感動な時代だといわれますが、それでは人間関係を豊かにすることはできません。「待っているよりも、私から」を合言葉に、相手に声をかけ、相手を理解しようとすることです。この世界には色々な人がいますが、様々な経験から人間の多様性を学ぶことは自分を成長させ、どのような人であれ対応できるようにもなれます。相手のことが分からないと不安になります。信じるためには、弱さや愚かさも含めて人間というものを学ばなければなりません。