見られたくない部分

 「天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏らさず」という言葉が老子にあります。天の張る網は粗いように見えても、けして逃すことはないという意味です。天はちゃんと我々のことを見ており、悪いことをすれば罰がくだり、良いことをすれば加護が得られるものです。たとえ時差があったとしても、因果応報の理から逃れることはできません。正しく因果と向き合うことが大事なのです。天だけではなく、社会も周囲も見ていないようで見ているものです。ただし自分が見てほしいと思うところではなく、逆に見てほしくないと思うところが見られるものです。ですが、その部分が大切なのです。課題や問題のない人はいません。その課題や問題をそのまま放置するか、着実に克服していくかで、10年先、20年先が大きく違うと思うのです。今の課題や問題を克服できれば、将来的にその課題や問題によって起こったであろう100のトラブルを事前に回避することができます。私達は与えられた課題や問題と向き合っていくことで、大きく成長していくことができるのです。