過程、誠実、結果

 コロナ感染拡大のなかでも法務で忙しいお盆となりました。良くも悪くも新型コロナウイルスに慣れつつありますが、今まで以上にご参拝いただけるありがたさを実感しております。令和2年4月より本格的に住職として奉職したのですが、まさに感染が拡大する初期でした。この先どうなるのかという不安と迷いを抱いての船出だったのですが、大黒天の導きと、参拝者の皆様とのご縁によって今日があります。


 人である以上、この先どうなるかは分からないものであり、不安や迷いは必然といえます。ですが、自分を信じ、今できることに最善を尽くしていくしかありません。先を見るのではなく、今を見ること。できないことを考えるのではなく、できることを実践すること。社会や他人を頼るのではなく、自分を信じること。このようにして弱き自分と折り合いをつけていくしかありません。


 最後は、なるようにしかならないものです。大切なのはそこに至る過程だと思うのです。大人であれば結果よりも過程が大事とはいえませんが、途中の段階から結果は何となく見えてくるものです。自分が望む結果にどれだけ近づいているのか。過程において誠実に自分と向き合っていればこそ、どのような結果であっても自らの糧となるのです。ですが、不誠実であれば結果は伴わず得るものもなくなってしまいます。結果はゴールしてから決まるものではなく、すでに今の自分が決めているものなのです。