やっぱり根性か

 根性論は消滅してしまったのでしょうか。「もう、そんな時代ではありません」と笑われそうです。スポーツ界においても科学的なアプローチが主流になっています。日常生活においても「気持ちの問題ではない」と言われることが多いようです。何事においても効果的・効率的なものが求められ、また科学や医学に頼ることがあたりまえになってきています。


 「さとり世代」と呼ばれる年代があります。特徴として欲がなく、今の自分に満足し、人間関係は程々に、1人の時間を楽しむタイプが多いといわれます。現実的で夢や理想を求めるよりも、無駄を省き合理的な生活に満足します。根性論とは対極をなす世代ともいえます。バブル世代は物欲の生活でしたが、強い欲は強い思いと結びつき、いわば根性の世代ともいえます。無理してでも働き、そしてそれ以上に楽しむ時代でもありました。


 時代によって生活態度も変わるもです。優劣や賛否というよりも、その時代を反映しているだけなのでしょう。ですが、私は人生において最後に必要になるのは強い想いだと思うのです。「なんとしても」という譲れない負けない強い想いが道を開くのです。今のままで過不足ありませんというのは、満足しているのか、それともあきらめているのか、どちらなのでしょうか。仏教は欲による苦しみから解放される教えです。ですが、これからの仏教は欲のない苦しみにも対応していかなければならないのかもしれません。