罪悪感の日本人

 ふと昔読んだ本を思い出しました。たしか世界を舞台に活躍するビジネスマンと島民の会話です。旦那はどうしてそんなに頑張って毎日働いているんですか。出世するためだよ。出世してどうするんですから。しばらく続いて最後は、南の島でのんびり昼寝でもして暮らすためだよ。旦那、私は毎日そんな生活をしていますよ。という結末だったように思います。


 老後はのんびり暮らすために頑張って働いているビジネスマン、そもそも頑張るということなくのんびり暮らす島民、同じものを求めながら、まったく違い生活をしています。日本人はどちらかといえばビジネスマンタイプの人が多いのではないでしょうか。老後のためにと一生懸命に働いています。童話「アリとキリギリス」を読めば、働くことが大切だと考えるのが日本人です。ヨーロッパのような長期休暇など考えもせず、今よりも未来のために頑張ります。


 私は真面目な日本人が好きです。今よりも未来、自分よりも相手、趣味よりも仕事、この優先順位は外国人には理解できないかもしれませんが、日本人の美徳だと思っています。ただ自己犠牲で成り立つ社会も問題だと思うのです。堕落することなく、もっと今を楽しんでもいいのかもしれません。日本人は罪悪感を感じすぎるのかもしれません。もう少し「今」を楽しみ大切にしていきたいものです。