一燈照隅

 一燈照隅(いっとうしょうぐう)という言葉があります。私達はそれぞれひとつの明かりであり、自分に与えられた場所を明るく照らさなければなりません。あなたにしかできない役割があり、活躍すべき場所があります。そういった役割や場所に気づけた人は幸せです。あなたに用意されている役割や場所は、ご縁のあった人々との交流のなかにあります。そこでいかに自分の力を発揮し周囲や社会に喜ばれるかを考えることが大切です。その思いがあなたを成長させ明るく輝かせてくれます。自分が必要とされているという思いは大きな活力にもなります。つながりのなかでお互いに支え合い生きる喜びを感じたいものです。


 この一燈照隅という言葉は最澄さんのものです。さらに安岡正篤さんは一燈照隅に萬燈遍照(まんとうへんじょう)という言葉をたしています。最初からできないような大きなことを言うのではなく、自分が責任を持てる役割に最善を尽くすことが一燈照隅であり、萬燈遍照とは一燈照隅の志ある人間が増えていくことで、この社会そのものも光り輝いていくという言葉です。誰か一人に頼るのではなく、誰もがそれぞれの役割を担うことで、この社会も発展していきます。このコロナ禍を乗り越えるためには、すべての人が希望を灯す明かりとならなければなりません。