たどり着いた喜び

 今期のドラマは登場人物みんながハッピーになれるものが多いようで、これもコロナ禍への配慮なのかもしれません。ドラマのストーリーとして毎回、登場人物が問題を抱え、それを解決していくというものがあります。45分のうち最初の35分は本人は苦悩し周囲は心配し、残りの10分で解決して絆を深めるという展開です。


 これを見て思うことは苦と楽の比率は平等ではないということです。どうしても最初は苦労や苦悩からはじまり、その期間も長いものです。その後から報われる喜びがやってきます。考えてみればあとから苦がやってくるよりも、あとから報われるほうが良いように思います。また、苦労や苦悩が多いほど報われる喜びも大きくなるものです。苦楽の比率が不平等だとしても、報われる喜びは何物にも代えがたい尊いものです。


 人生にはご褒美が用意されていると思うのです。苦労が多かったとしても、今まで生きてきて良かったと思える瞬間があります。しかし、その瞬間を味わうためには、自分の人生を放棄してはならないのです。けして自暴自棄になることなく、自分の可能性を信じて頑張らなければなりません。ドラマの主人公のような華々しい進展はなくとも、自分なりに着実に歩んでいくことで、喜び多き人生になるのではないでしょうか。