先を読む力とは

 大雪ともなれば一晩で雪に覆われ、雪の下にある石も段差も見えなくなります。除雪車で除雪する場合には気をつけてなければなりません。秋のうちから危険なところには目印を立てておく人もいれば、危ないと思えばスコップで確認する人もいます。しかし、危ないと思いながらも進んでしまう人もいます。そういう人は除雪車を壊してしまいます。


 何か気になったときに立ち止まって確認できる人、気になりながらもそのまま進んでしまう人、長い人生においては些細なことであっても、積み重なることで大きく違ってくるものです。大きな失敗をする人は不用意に進んでしまう人です。経験、直観、忠告、推測なんでもかまいませんが、危険を察知できるようにならなければなりません。さらに察知したならば回避しなければなりません。失敗してから「やっぱり」と思う人がいますが、察知しても回避できなければ意味がありません。


 平穏な生活を送るためには、大きな成功よりも大きな失敗を避けることです。「無難」という言葉へのイメージはそれぞれだと思いますが、私は「難がない」ということで良い意味と考えています。成功も災難も平等に訪れるかのかもしれません。ただ人によって成功だけをつかみ災難を避ける人、成功はつかめないのに災難だけは抱え込んでしまう人もいます。その違いは先々を読む力だと思うのです。この道の先に何が待っているのか、良くも悪くも事前に察知することができれば、答えが分かっているテストを受けるようなものです。