ダメだと思った時には

 「一生懸命に頑張っているのに、なかなかうまくいきません」と言われることがあります。そんな時には登山に譬えて話をします。山を登るときに頂上までの距離を考えながら苦しくても必死に登る人がいますが、こういった頑張りはうまくいかないものです。逆に頂上のことなど考えず道で出会う山野草を愛でたり、仲間と楽しく話しながら登る人のほうが、いつの間にか頂上に着いているものです。


 目標を持つことは素晴らしいことですが、その成就に必死になって苦悩しているとかえってダメになることもあります。仕事も人生も好きで楽しんでいる人には敵わないものです。苦しいと思うのは、楽しんでいないからなのです。結果を求めて猪突猛進するのではなく、過程を大事にして楽しんで進む人のほうが結果的には先んじるものです。好きであれば楽しければ苦にならないのです。苦にならないからこそ結果につながるのです。


 ヨットは風を受けて進みます。自力で頑張らなくても自然と進みます。うまくいく人はこういう人です。不平等なようにも思いますが、世の中にはそういう人がいるものです。とりあえず肩の力を抜いて、今を楽しみたいと思います。今が楽しくないのに、楽しい未来は到来しません。人生とはすべて今の延長線上にしかないのです。今を捨てて得るものはありません。今を楽しみましょう。