玉磨かざれば光なし

 上流の石はゴツゴツしていて大きいものばかりですが、下流に行くほど小さく丸くなり、海につく頃には砂になっていきます。石と石がぶつかり丸く小さくなっていくのでしょう。人間も無邪気な子供同士がケンカをすることで、人間関係を学んでいきます。受験もスポーツもお互いにぶつかり合うものであり、そのなかから多くのことを学び成長していきます。スムーズに進むよりも、様々なものにぶつかり乗り越えたほうが成長できるのかもしれません。


 「玉磨かざれば光なし」という言葉があります。宝石などは原石を徹底的に磨くことであの輝きが生まれます。いかに素晴らしい原石であっても磨かなければ石ころでしかありません。逆にどのような石であっても磨きあげれば光り輝くのです。多くの人は途中で磨く作業をやめてしまいます。やめる理由は様々ですが、自分の可能性を信じられなくなるのか、修行に疲れてしまうのか、もうあと少しなのに残念です。


 人生も山頂に降った雨粒が小川となり長い時間をかけて海へとたどり着く物語です。上流、中流下流とそれぞれの生き方があると思うのです。年齢にそぐわない、時代にそぐわない、人格にそぐわない生き方には違和感があり、しっくりと生きることができません。年齢に応じた課題があり、その課題を通して自分を磨くことが大切なのです。磨き続けたものは必ず光ります。古民家の柱は長年磨かれ新築の住宅にはない艶と重厚感があります。人間もかくありたいものです。