ご利益の本質

 今読んでいる本に年収1000~1500万の人と年3~6回参拝している人の幸福度が同じだという調査結果が掲載されていました。年収のほうは物質的な幸福度、参拝のほうは精神的な幸福度であり、同一視はできないかもしれませんが、重要な結果だと思います。年収1000万を超えるのは容易ではありませんが、参拝であれば誰でも達成可能です。物質的な幸福はそのものがなくなれば失われてしまいますが、精神的な幸福は失ったり奪われたりするものではありません。


 定期的に参拝している人はあまりご利益を求めていないように感じられます。困ったときの神頼みといいますが、普段まったく参拝していない人ほどご利益ばかりを求めます。私はご利益を求めることが精神的な幸福にはつながらないと考えています。参拝とは感謝の表明であったり、気持ちを新たにしたり、非日常の世界で自らと向き合うことです。それによって大いなる気づきが与えられます。これこそがご利益だと思うのです。仏の声、神の声、天の声、心を澄ませて声なき声を聞き、その声を日々の生活に活用することが大切なのです。