人間関係の極意

 身近な人間関係ほど難しいと思うことがあります。ご近所さんのように物理的に近い関係、親戚のように血縁として近い関係など様々です。共通することは簡単には決別することができないということです。そのため関係が悪化したとしても継続して付き合っていかなければなりません。ですから、良好な関係を期待するのですが、相手がまったくそんなことは考えない身勝手な人間だった場合には大変です。


 どんなところにも面倒な人はいるものです。学校の卒業や職場の移動など逃げることができれば良いのですが、近所や親戚の関係に終わりはありません。だからこそ忍耐強く上手に付き合わなければなりません。面倒な人ほどこじれると修復が難しくなります。会うたびに胃が痛くなるような関係にはなりたくないものです。


 「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉は人間関係にも活かせるものです。「敵を知り」は相手が不機嫌になるポイントを知ることです。相手がどういう価値観を持っているのか、相手の好き嫌いは何か、今の機嫌はどうなのか、こういったことが分かるということです。

 

 「己を知れば」は自分のどういうところが相手を不機嫌にさせるのか知ることです。自分の価値観や長所と短所、今の自分の心の状態、相手との相性などを知ることです。相手から見て自分はどうなのか、自分から見て自分はどうなのか、このふたつの視点を持てば、今よりは人間関係が円滑になるはずです。相手のご機嫌をとる必要はありませんが、難敵と戦うならばそれなりの準備や心構えは必要だと思うのです。