国難の今こそ

 個人的には9月入学には反対です。すべて欧米に合わせる必要はなく、日本らしく桜のもとでの新生活が良いのではないかと思うのです。社会の改革とは少数の不満や要望からはじまりますが、大きな枠組みを変える場合の天秤は議論を尽くしたうえで、大多数の利益を選択しなければなりません。まずコロナウイルスの終息を優先させるべきですし、混乱する現場をさらに混乱させてはいけません。また、留学を望む人がどれだけいるのか、志のある人は今までもこれからも現状のままでも留学することでしょう。


 日本は民主主義といいながらも利害関係や組織のしがらみが優先されたり、さらには面倒な人間の意見が却下されることなく通ることもあります。国会から村の会議まで同じような構図なのかもしれません。今回の国家公務員の定年延長法案などはまさにこの象徴的なものです。ですが、考えなければならないことは、どのような問題も改革も満場一致ということはなく、すべての問題をクリアできるわけでもありません。メリット・デメリットを考えたうえで決断しなければなりません。


 日本人は誰かに損をさせる決断が苦手なため棚上げすることが多くあります。もちろん棚上げしても誰かの不都合にはなるのですが、現状不都合を被っている人よりも、自分の決断によって新たなる不都合を生み出すことを恐れるのです。ですが、政治家の仕事とはまさに決断なのです。そして、その影響を受けるのが国民なのです。しかし、その影響の責任は政治家にあるのではなく、その政治家を選んでいる国民にあります。そういう意味では失政は国民の自業自得ともいえます。これから今まで以上に様々な国難が出てくると思うのです。それを乗り越えるためには厳しき目が必要です。国民の厳しさがより良きリーダーを育てるのです。