捨ててしまえば楽なのに

 知らないうちにパソコンが不要なデータでいっぱいになっており削除するのも大変でした。人の心というものも様々なものが蓄積しやすく定期的に掃除しなければなりません。特に気をつけなければならないのが怒りと後悔です。とても強い感情であり、いつまでも私達を苦しめ続けるものです。怒りによって怒りを相殺することはできず、後悔にをよって後悔を緩和することはできないのです。どちらも相乗効果でより苦しくなるばかりです。


 私達の心は正反対の感情を向けることで、苦の元凶となっているものを抑えることができます。怒りには感謝を、後悔には希望を持つことで怒りや後悔を小さくすることができるのです。怒りのなかにあって相手に感謝すること、後悔のなかにあって明るい希望を持つことは簡単ではありませんが、それができて初めてマイナスの感情を抑えることができるのです。多くの場合には時間が解決してくれますが、それは解決というよりも心の奥底で保留しているだけであり、同じような状況に遭遇すればくすぶっていた怒りや後悔が再び暴れるようになります。


 人の心とはとても難しいものであり、自らの心を修めるためには様々な経験から学び強き心を育まなければなりません。強き心とは感情に流されることなく、失望には信頼を、妬みには尊敬を、憎悪には愛情を、不安には安心を、正しき心を向けることで自分と相手を救うことができることなのです。自分の感情で苦しんでいると思ったならば、正しき感情で心を満たさなければなりません。そうすることで心の重荷を捨て清々しく生きることができるのです。