100点は疲れます

 同期のサクラも最終回を迎えました。主人公は自分のことを忖度できない人間といっていましたが、私は現実に100点を求める人間のように思えました。人生において100点を求めている人は少ないものです。多くの人々は60~80点といったところでしょうか。100点を求めて生きることの大変さを知るがゆえに程々のところで生活するというのも、ひとつの知恵なのだと思います。100点を取るためには、ここでこうしなければならないと分かっていても、あえてしないという選択です。日々の生活においてはそういった選択がたくさんあります。妥協と表現するよりも、そこまでは頑張らないという選択です。


 100点を求めようとする人は最後まで頑張ろうとします。ところが頑張りすぎて疲れてしまったり、周囲にも同じ頑張りを求めてトラブルになったりもします。この世界にはあたりまえのように100点を取り続ける人もいますが、私には何点が最善なのかと考えさせられます。100点を3回取るのも60点を5回取るのも30点を10回取るのも同じなのです。大切なことは無理せず点数を積んでいくことです。30点であることを責められればイラっとしますが、自分の問題であり着実な30点だと思えばいいのです。


 学校で洗脳された100点を目指さなければならない、100点の人が優れているという妄信は捨てなければなりません。人生を点数で計ることはできません。点数をつけようとして、その点数に満足できないところに不満と苦悩が生まれるのです。もちろん安易に怠慢な生活を推奨しているわけではありません。運動不足は不健康ですが、無理な運動も健康を害します。周囲に惑わされることなく、自分のペースを守り暮らしていきたいものです。