偉業よりも心

 歴史秘話ヒストリア渋沢栄一が取りあげられていました。新札になることで注目を集めていますが、その著書である論語と算盤は現代日本にこそ必要な思想だと思います。番組ではその生涯を簡単にまとめて紹介していました。ですが、私は生涯や功績よりも、その心を学ぶことが大切だと考えています。その偉人がどのような想いで生きたのかを学ばなければなりません。


 たとえば経営者が渋沢栄一松下幸之助を目指そうとして足跡を真似しても意味がありません。大切なことはどのよう志をもって足跡を残したかなのです。私利私欲で真似しても到底及ぶはずもありません。両氏とも社会のために社会で暮らす人々のため事業をおこないました。その尊い志が分からなければ学んだことにはなりません。人間を動かす源泉は心であり、様々な偉人の心を学ぶことが自らの成長につながります。


 偉人の心とは志であり、努力であり忍耐であり揺れることなく目標まで歩み続ける意志であり、自分のことよりも社会や他者への利他の心であると思います。結果よりもその過程にある心に注目しなければ、単なる偉人の知識になってしまいます。偉大なる心を見るからこそ感動があり、少しでも近づこうという想いが芽生えるのではないでしょうか。歴史に名を残せる人は選ばれた人なのでしょうが、自分なりに社会や人のために少しでも頑張ろうという想いが尊いものであり、偉人への第一歩なのではないかと思います。