裁判官なんていらい

 通り魔事件の裁判員裁判一審の死刑判決を二審と最高裁無期懲役に軽減しました。判決理由覚醒剤使用により正常な判断ができなかったためです。法律で禁止されている覚醒剤の使用で減刑されるというのが納得できないところです。また民意を反映させるために導入された裁判員の判決を破棄しては裁判員の意味もありません。日本では被害者のことよりも、加害者の更生や死刑回避のほうが重視される傾向があります。


 ハンムラビ法典には「目には目を歯には歯を」という有名な一文があります。自分がおこなったことと同じ報いを受けるというのが世界共通の刑罰でした。近代となり野蛮な刑罰が廃止されても、刑務所などでは過酷な労働や厳しい収監があり、それが犯罪の抑止にもつなかっていました。ところが今は快適な刑務所ライフを送ることができます。無差別に善良な人間の命を奪った犯罪者でさえ、その罪よりも人権が優先されるという矛盾があります。


 社会には様々な問題があるものです。人類は今日に至るまで様々な問題を解決したり改善したりしながら進歩してきました。ですが、道半ばであり今の社会が完全なるものではありません。今ある問題に目を向け改善しなければなりません。社会の問題や矛盾には様々な形で声をあげたいと思います。社会が安定するとかえって変化が乏しくなり停滞するものです。制度や組織の停滞を変えるものは人々の感情だと思うのです。非科学的・非論理的ですが納得できないという人間の感情こそが停滞している社会に一石を投じるのではないでしょうか。