消費主義の矛盾

 ローマ法王がクリスマス商戦を前に消費主義では幸せになれないとメッセージを発信されました。物のために暮らしても決して満足することはない。消費主義では持っている物で人生が決まってしまうと信じるようになってしまう」という警告です。宗教は違えど間違いのない真実だと思いました。人間は仕事をするためでも、物を買うためでも、人生を楽しむためでもなく、幸せになるために生きています。


 現代社会は人間の幸福というものがきちんと定義されていないため盲目的に幸福を求めているように感じられます。それが消費主義に表れているように思うのです。欲しい物が買えること、好きな所に旅行できること、豪華な食事ができること、お金があれば幸せになれるという錯覚が蔓延しているように思います。お金は便利な道具ではあっても、幸福そのものではありません。幸福とは精神的なものであり、それを物で満たすことはできないのです。


 極論として「ではお金は不要なのか」という疑問がありますが、社会で生活するためにはお金は必要ですが、お金で買えるものと買えないものがあることを理解しなければなりません。幸福は買えないものなのです。幸福になるためにはお金を貯めるのではなく、心を豊かにしなければなりません。感謝や感動の生活をいかに実現して幸福になるのか。錯覚が多い現代社会においては物事の本質を見極めることが大切であり、そのために学ばなければならないのです。