衰える精神機能

 年齢と共に私の思考が道理や現実から遠ざかり漂流しているように思うことがあります。自分勝手な都合やワガママに違和感がなくなり、それを相手に突き付けているのではないかと不安になるのです。周囲から見れば単なるワガママでも、自分のなかではワガママという事実が除外され真実となり、その真実に賛同してくれない周囲を敵視しているのかもしれません。私も理解できないような要求を受けることがありますが、その人にとってはその要求は正しいものであり、正当な要求を受け入れない相手が悪いということになります。


 日々、自らの思考や行動について考え反省していないと、いつしかとんでもない思考や行動に陥り、しかもそのことに気づけないということがあるかもしれません。社会で起きる凄惨な事件の多くはこのパターンの最果てなのかもしれません。ある一定の年齢を超えると途端に迷惑行為を発症する人がいますが、道理に照らして考える良識と感情のコントロールが衰えてしまうのです。肉体的な機能はどうしても低下していきますが、精神的な機能は維持しさらには向上させることもできます。年々、品格が高まり尊敬を集める人もいますが、年齢を言い訳に迷惑行為に陥ることなく、いつまでも道理を尊重していきたいものです。