暑さの先に学ぶこと

 暑い日が続いています。この暑さに対して「嫌だ、嫌だ」、「何とか逃げたい」、「我慢、我慢」と思えば思うほどかえって暑くなるように思います。何事も意識すればするほど、余計にダメになるものです。嫌いだと思うほど苦手意識が募り、失敗できないと思うほど緊張し、我慢しようと思うほどストレスが溜まるのではないでしょうか。いわば自分で自分の首を絞めているようなものです。


 「なるようにしかならない」という心境も必要なのです。これはあきらめるということでも油断するということでもなく、囚われないということです。無理することなく意識しなければ、もっと自然体でリラックスできます。夏だから暑くてあたりまえと思えれば、それまでよりも暑さが気にならなくなります。気持ちだけでも体感温度が変わりますし、気持ちが変わると体も暑さに適応するようになります。これは何事にも通ずることです。


 人生には避けて通れないことがたくさんあります。仏教には四苦八苦という言葉があります。生まれること、老いること、病気になること、死んでしまうこと、欲しいものが得られないこと、愛する人と別れること、嫌いな人とも顔を合わせること、自らの欲望に翻弄されること、これらは人として生きているうちは避けられないものです。嫌だけれども避けられないものと、どのように向き合うかが問われます。どれだけ腹をくくれるのか、いつも活路は思い切って飛び込んだ先にあるものです。