心の声に耳を傾けて

 人生には大きく分けて自分が満足する生き方と周囲から感謝される生き方があるように思います。仏教的に表現するならば自利と利他の生き方といえます。ところが、自分が満足するためには周囲の人々も満足できなければなりません。また、周囲の人々を満足させようと思えば自分も満足できるものでなければなりません。突き詰めて考えていくならば最初の視点がどちらであっても、ゴールは同じところなのかもしれません。


 大切なことは自分が選んだ道を正しく歩んでいくことだと思うのです。途中での道草や遠回りも人生の醍醐味ですが、自分に負けてリタイヤすることがないようにしたいものです。どの登山口から登り始めても頂上はひとつしかないように、どのような道であれ正しい道を模索して歩むならば目指すべきゴールにたどり着けるはずなのです。正しき道を歩む人は自分に対しても周囲に対しても嘘のない誠実な人なのです。


 自虐なのか、周囲への復讐なのか、自分で分かっていて不幸になる道を歩む人もいます。しかし、分かっているならば幸福の道を歩むこともできるはずなのです。自分の心が何を求めているのか、その深い所をくみ取り表面的な感情に惑わされなければ誰しも幸せになれるのです。どのような人であれ、その心の奥底には美しい源泉があり、その声に従って生きるならば美しく幸福な人生を歩むことができるのです。