人の感情の生まれるところ

 よく理屈ではないと言いますが、理性と感情を併せ持つ人間ですが、いつも先にあるのは感情ではないかと思うのです。感情が自由奔放な兄であり、理性はおとなしく真面目な弟といったイメージです。自由奔放な兄を弟が上手に制御したり弁護したりしています。人間の感情は善悪混合であり、そのまま外に放出するのは危険です。理性が外に出しても問題とならないよう調整しているのです。


 自分や相手に対するマイナスの感情を自分のなかに幽閉すれば大きなストレスとなります。ですが、そのまま放出すれば自分や相手を大きく傷つけてしまいます。理性はそのバランスを取るため奔走しています。しかしあまりにも感情の起伏が大きくなり、理性が処理できなくなると心は崩壊してしまいます。今の日本には心が崩壊寸前の人が多いように感じられます。


 私達は理性に頼るばかりではなく感情の起伏をおだやかにしなければなりません。道端の石で転んだ時に、笑ってすませられる人、今日は運の悪い日だと落ち込む人、呪われているのではないかと不安になる人、イライラして八つ当たりする人など、その反応は様々です。人の感情の生まれるところにおいて、心が正しく働いていれば心に大きな負担はかかりません。理性によって物事をどのように考えるかではなく、それ以前の問題として心でどのように感じるかが大切なのです。