選挙にモノ申す

 農業の基本は土づくりだといわれます。たしかに土壌が適していなければ、そこから良い作物は育ちません。日本の政治や経済は停滞しているように感じられます。国づくりの基本は人づくりです。ちょうど参院選がおこなわれていますが、どうせ誰がやっても何も変わらないという雰囲気のなかで選ばれた人間が日本を発展させることはできないと思うのです。


 今の政治に問題があるとすれば、それは選ぶ側に問題があるということです。会社の面接であれば、その会社にとって有益な人間を時間をかけて選びます。人がいないからと安易に採用したり、頼まれたからと縁故を優先するような会社は倒産してしまいます。結婚相手にしても、この人と生涯にわたり幸せに暮らせるかと真剣に考えるはずです。ところが、自分が住む国の未来をかけた選挙のはずなのに、真剣に考えて投票する人がどれだけいるのでしょうか。


 また、当選すれば逮捕やスクープさえなければ無難に過ごせるということも問題です。温かい期待と厳しい苦言の両方をもって在任期間を見守ることで政治家は成長すると思うのです。選挙には無関心で、当選後はさらに無関心になるのでは国を繁栄させるような政治火家は生まれません。国民が政治家を育て、政治家が国を育て、国が国民を育てるという図式だとすれば、やはり最初にすべきは政治家を選び育てることなのではないでしょうか。