言葉の重み

 私達は日々たくさんの言葉を使い会話をしています。現在、私が住む田舎では蛍が飛び交っていますが、蛍は光で会話をします。幻想的な光景ですが、人間の言葉ほど複雑な会話はできません。群れで生活する動物たちもコミュニケーション能力がありますが、人間のような文明を築けるほどのものではありません。


 私達はせっかく素晴らしい言葉を持っているのに、その言葉をどれだけ活用しているのかは疑問です。せっかくの言葉で争ったり疑心暗鬼になったりするのは言葉の間違った使い方ではないかと思うのです。また、どれだけ本気で言葉を使っているかも考えなければなりません。「ありがとう」とか「いただきます」という言葉にどれだけ気持ちを込めているでしょうか。心を込めない言葉は本物ではありません。


 心からの言葉だけが相手に伝わるものです。思ってもいないことを言っても相手の心には響きません。偽の言葉で最初は誤魔化せたとしても長くは続かないものです。営業マンでも口だけの人間はやはりダメなものです。毎朝の社長の訓示も、その社長が本気で思っていなければ社員に伝わることはなく、ただの無駄な時間になります。人間の生活には本音と建前があるものですが、自分の言葉に責任を持つこと、自分の言葉に心を込めることを意識したいものです。そして人を不愉快にさせない美しい言葉を使いたいものです。