厳しい人を求めて

 真実というものは意外と残酷なものです。的確なアドバイスには厳しさが伴います。どうしても相手の欠点や弱さを指摘しなければアドバイスとはなりません。長所を伸ばすのもアドバイスですが、改善すべきところを指摘することも必要なことです。ところが、厳しいことを言って嫌われるよりは、相手のためにはならなくても、適当なことを言って誤魔化すこともあります。さらには厳しいアドバイスよりも適当な希望や慰めを求めてしまうものです。


 お互いに欠点や弱さを明確にすることで関係がおかしくなるよりも、適当なアドバイスで誤魔化すことを選んでしまいます。厳しいことを言う人も厳しい意見も求められていないのです。ですが、甘えを捨てて厳しい意見に自分をさらしてこそ分かることもあります。どこかのタイミングで厳しさと対峙しなければ、今の自分の問題を解決して成長することはできません。


 私達に必要な人は優しい言葉で甘やかす人ではなく、厳しい意見をくれる人なのです。本気で心配して怒ってくれる人なのです。そういうありがたい人間を遠ざけているうちは本当の信頼関係など築けませんし、成長することもできません。厳しい意見を否定するのではなく、その意見を活かさなければなりません。甘い言葉に安住するのではなく、厳しい言葉と誠実に向き合い、気づきと成長を得たいものです。