日本でも外貨獲得の英才教育

 小学校では国際人を目指すため英会話の授業が始まり、国際競争力を高めるためプログラミングの授業も始まるそうです。最近の小学生は習い事もたくさんあり忙しくて遊んでいる暇がないほどです。海外の勉強できない子供達に支援しましょうというコマーシャルを見ますが、勉強できない子供と同じように遊ぶことのできない子供への支援も必要なのかもしれません。勉強以上に遊びは子供の特権なのではないかと思うからです。


 いわば英会話もプログラミングも大人になってから稼ぐための授業です。北朝鮮のように外貨獲得のための英才教育なのかもしれません。もちろん経済発展も必要なのでしょうが、それ以上に私は稼ぐ能力よりも幸福になる能力のほうが大切だと思うのです。人間の最終目標は幸福であり、幸福と経済的な成功が比例することはありません。いつの時代からか幸福と経済的な成功が同一だと誤解されていますが、その違いを理解しなければなりません。


 平成を生きてきた日本人ならば経済的・物質的な豊かさが幸福に直結しないことは理解できると思います。平成の時代に多くの成功者が没落していき、様々なスキャンダルが起きました。断捨離という言葉がブームになったほど物があふれているのに幸福感は停滞しています。新しい時代を迎えるにあたり、誰もが生きる目的とする幸福とは物質的な豊かさと精神的な豊かさのどちらに属するのかを考えなければなりません。子供達には稼ぐことよりも、幸せになってほしいものです。