愚痴のその先へ

 世界中の愚痴のなかで最も多いのは対人関係の愚痴ではないでしょうか。思い通りにならない相手への想いは愚痴となり、言葉として放出されていきます。人間関係のストレスを溜めないためには愚痴も必要ではないかと思います。誰かに話せば楽になるものです。ただ良識を忘れた愚痴は聞く相手を不快にさせますから、愚痴には愚痴のマナーも大切です。 


 私達は相手を理解しようとしているつもりで、本当は計ろうとしているのかもしれません。目の前の人間の優劣、善悪、損得など、理解ではなく判断なのです。そして計ろうとするから苦しくなるのです。理解とは相手を認めることであり、判断とは評価することです。評価するには条件が必要であり、相手の条件を満たさなければ憎悪や無関心の標的とされてしまいます。このように考えるの人は対人関係のストレスに悩まされ続けます。


 誰しも自分を評価してもらいたいという願望があり、相手の条件を満たそうと四苦八苦するものです。そのため人間関係に疲れてしまうのです。相手を評価せず、相手からの評価を求めなければ、私達はもっと気楽に暮らすことができます。気心が知れてくると無理せず楽な関係を維持できるようになりますが、こういった関係は相性ということもありますが、なにより無理する必要がないという安心感が必要です。ですが、最初から無理しなければ、最初から楽でいられるのかもしれませんね。