気づくことさえできれば

 人間という存在の身勝手さを実感することがあります。ですが、人は誰しも世界の平和や公共の福祉のために生きているわけではありません。それぞれが自分の生活に一生懸命になっており、そのため周囲の人々と上手に交わることができないこともあります。人間は一人で生きていくことができないわけですが、それでも自分を優先させながら、周囲にも配慮することは意外と難しいことでもあります。


 自分と周囲の天秤を均衡させるためには、余裕がなければなりません。資産・時間・精神・人間性など、すべてにおいてある程度の余裕がなければ、周囲への配慮まで気が回りません。これはお金持ちでなければならないということではなく、日々の生活に翻弄されことが大切なのです。私達はゆとりを持つことで、今まで気づけなかったことにも目を向けることができるようになるのです。


 子供は学びが大切であり、大人は気づきが大切なのです。高尚な真理よりも、困っている、悩んでいる、イライラしていると相手の状態を理解できることのほうが社会においては有益だと思うのです。相手の状態に気づくことができれば、あとは対処するだけです。相手の状態に気づけないからこそ問題が起きるのです。人間関係を豊かにするためには相手の状態を理解できなければなりません。それは相手を理解しようと努める意識と経験によって培われるものです。気づきを大切にしていきたいものです。