無駄な競争に翻弄されて

 競争にも2種類あると思っています。それは無駄な競争と有意義な競争です。経済においては価格競争が長く続き各企業は疲弊しています。安くしなければ売れず、たとえ売れても利益が上がらないという悪循環です。しかし他社が安売りを続けるかぎり自社も安売りをやめられないという我慢競争です。こういった競争には意味がありません。また、お隣さんが新車を買ったから、友達がブランド品を持っていたから、こういった対抗意識も競争といえるかもしれませんが意味はありません。


 経済でいえばライバル会社が新しい商品や企画で勝負に出たので、自社も新しい商品や企画で社会に貢献し発展しようとする競争は有意義だと思うのです。社会と会社の発展が両立するからです。スポーツや研究の世界においても1人で頑張るよりも、ライバルを意識することで成果があがることもあります。切磋琢磨という言葉がありますが、有意義に競い合える友を持つことで、自分の限界を超えていきたいものです。


 人間というものは周囲の人が気になりますし、比較したり意識するものです。それが成長につながるのか、それとも苦しみにつながるのかを考えなければなりません。相手に迷惑をかけず自らの成長の糧となるならば頑張ればいいですし、相手を不愉快にして自らも嫉妬や失望で苦しむならば慎まなければなりません。自らの感情がどこからきていて、どこに向かおうとしているのかを見極めることで、有意義な生活を享受できるようになるかもしれません。