あたりまえを、さりげなく

 この世界はとてもシンブルなものです。ところが、私達はシンプルな世界をわざわざ難しくしてしまうものですが、シンプルに楽しめばいいのです。難しく考えたり、大きく考えたり、自らハードルを高くして飛べないでいる人も多いものです。どのような問題であっても、その本質はシンプルなものであり、その事実に気づくことができれば、今よりずっと楽に生活することができます。人生を豊かにするために必要なことはシンプルな実践なのです。


 漢文でつづられている仏教の経典は難解に見えますが、読み解いていけば小学校で教えられるようなことばかりです。新しい知識を求めるよりも、子供の頃に両親や先生から教えられたことを、思い返して実践することのほうが大切だと思うのです。嘘をついてはいけません。自分がされて嫌なことは相手にもしてはいけません。してもらうのを待つのではなく、自分がしてあげましょう。大切なことはシンプルであり、大人になったからこそ身につけるようにしなければなりません。


 あたりまえのことをあたりまえに続けていくことには忍耐が求められます。しかし、習慣になってしまえば川の流れのように自然とできるようになります。何事においても善き習慣を身につければ幸せになれます。たとえば禁煙すれば半年・1年と辛いかもしれませんが、長い目で見れば大切なことであり、忍耐して習慣を変えてなければなりません。単純なことを着実に続けていくことにこそ価値があります。あたりまえのことを、さりげなくこなす人ほど素晴らしいものです。