私の居場所と役割

 私達はこの社会のなかで競争させられ比較され、それに一喜一憂しては疲れています。そんな社会に違和感や嫌悪感があるのですが、子供のころから競争と比較のなかで育っているため、それ以外の生き方を知らないのです。ですが、知らないからこそ求めなければなりません。今の生活がすべてであり、この生活が生涯続いていくと考えるのではなく、今の生活よりも素晴らしい生活があり、それは幸運や偶然によって他所からもたらされるのではなく、自らの考え方を変えることで得られるものだと考えることが大切だと思うのです。


 江戸時代までは生まれによって人生がほぼ決まっていました。しかし、現代においては生まれてくる両親や環境は選べませんが、どのような大人となり、どのような人生を歩んでいくかは自分で選ぶことができます。自由を謳歌しているつもりで堕落するのではなく、自らが望む生き方をいかに実現していくかを楽しみながら考えていきたいものです。私という存在をどのように育て、この社会に役立てていけるかを考えることが最上の喜びではないかと思うのです。


 誰しもこの世界に必要とされ生まれてきました。それぞれの居場所があり役割があります。与えられた場所と役割に精進することが
有意義な人生へとつながっていきます。居場所と役割は図書館にあるのではなく、人間関係のなかにこそあります。一人では生きられない人間だからこそ関わりのなかにこそ居場所と役割を見出さなければなりません。「ここだ」、「これだ」というものを持っている人は幸せだと思います。それは自ら求め得たものだからこそ価値があるのです。今の生活をすべてだと思わず求めることから始めたいものです。