マイナス関係の増幅

 周囲の人間関係を見ていると意外と似た者同士が険悪だったりします。それはお互いに自分と相手の嫌な所を引き出してしまうからなのかもしれません。誰しも長所と欠点がありますが、お互いの長所をプラスにできる関係と、お互いの欠点をマイナスにしてしまう関係があるようです。他の人だと良好な関係を築けるのに特定の人とはうまくいかないという場合、お互いに波長の合うマイナスが磁石のように反発させるのかもしれません。


 相手に対してイライラする場合、その原因の大半は自分にあります。ひとつには自分の機嫌が悪く誰かにイライラをぶつけて発散したいという場合。もうひとつは自分の嫌な部分を相手のなかに見つけてしまう場合です。自分のコンプレックスなど、見たくないものを相手を通してまざまざと見せつけられることで冷静ではいられなくなるのです。理由が分からず相手にイライラする場合には、自分では意識できていない自らの弱点や欠点が相手に投影されていることもあります。


 相手を通して自分を知るということも大切だと思います。相手に対する自らの反応には必ず理由があります。その理由の多くは差別、偏見、劣等感、優越感、欠点、罪悪感などマイナスのものが多いのですが、それらを解明していくことで原因の分からなかったイライラや不安を解消していくことができます。周囲に翻弄されていると感じるならば、誰かが悪意をもってあなたを翻弄しているのではなく、原因は自分にあると考え究明していくことで、与えられた課題を克服することができます。ひとつの課題を克服するだけでも心は晴れやかとなり、今まで苦労してきた相手とも仲良くできるようになるかもしれません。それはお互いのマイナスを増幅することがなくなるからです。
 



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