心の奥底へ

 仁和寺の法師という古典がありますが、現代社会もここに登場する法師のようなものなのかもしれません。勘違いして大切なものを見ず表面的なものに終始しているように感じられます。人生において大切なものは何か。もちろんそれは各人の価値観により違うものですし、強制されるべきものでもありません。ですが、私は命ばかりか人生も軽んじられているように思えてしまいます。


 たった一度の人生をどのように生きるのか。人生の目的といったときに、仕事や趣味から枝分かれして様々あると思いますが、そもそも「なぜ生きるのか」という人生の根幹にも目を向けなければなりません。この自己との対話によって、私達は生きている意味を獲得していくのではないかと思うのです。イジメられたり大きな失敗をすれば、死んでしまいたいと思うかもしれません。ですが、そう思いながらも生きているのはどうしてなのか。


 人間は何を求めて生きているのか。端的に表現すれば人間は幸せになるために生きているのです。ところが、幸せとは何かという根源的な問題に解答を見出せないため、蜃気楼を求めてさまよっているような状態なのです。幸福とは姿形あるものではなく、心で感じるものです。もちろん快楽ではなく、心が静かに満たされている感覚です。仁和寺の法師は入口で帰りましたが、私達は心の奥底へと進み本当の幸福を見出したいものです。



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