心の忘れ物

 人の心が弱くなっているように感じることがあります。心の強さといったとき忍耐力ばかりではなく、願うことや思いやることなども含まれます。最初からあきらめて願うことがなかったり、自分のことしか考えられず相手のことを考えられないというのは、心が弱くなっているのであり、貧しくなっているとも表現することができると思うのです。


 私達の生活とはすべて心で思うことからはじまります。心で思ったことを実行したり我慢したりすることで生活が成り立っていきます。しかし、最初の思うということがなくなると、つまらなく虚しい生活になってしまうのです。体力には限界がありますが、心は使うほど活性化していくものです。逆に使わなくなるほど停滞し弱くなっていきます。日本人は豊かな時代を迎えハングリー精神を失ったといわれます。たしかに過酷な環境は人間の心を強くしてくれるのかもしれませんが、それよりも私はおだやかな環境に感謝し、そのなかで心を豊かにしていくことが大切だと思っています。


 私達は自分の想いをちゃんと受けとめてあげなくてはなりません。心の声を無視するほどに、心は弱体化していくものです。自分の想いを理解して生活している人は楽しく豊かに暮らすことができます。多忙な生活にあると、心の声が聞こえなくなってしまいます。最近疲れていると思いながらそのままにして、なんだか子供の様子がおかしいと思いながらそのままにして、いつかそのうちと心の声を無視していると悲劇が起こります。もっと自分の心と向き合う時間を持つことが求められています。自分の心をどこかに置き忘れることがないようにしたいものです。




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