正当化する前に

 机上の空論という言葉がありますが、それを実感する会議に参加してきました。その会議ではリスクマネジメントや組織運営論などの言葉が飛び交いましたが、突き詰めていくとリスクマネジメントではなく責任をとりたくない、組織運営論ではなく面倒で何もしたくない、という結論になります。参加者が自分の意見を熱心に語るのですが、本心が透けて見えると落胆するしかありません。


 地方においては少子高齢化が顕著となり、社会は現状維持が目標とされるほど、いわば下り坂の社会です。そういった状況において無理せず実情に沿った活動をしようとなります。もっともな意見にも聞こえますが、面倒になり楽な方向へと流れると加速度的に衰退していくものです。踏みとどまる勇気が試される時代だと思います。新しいことはしなくとも、今までしてきたことを守り、次につなげることが大切になります。


 何もしないのは楽なのですが、それでは存在する意味がなくなります。人間は呼吸するために生きているわけではありませんし、組織は会議をするために存在しているわけでもありません。実質的なところを突き詰めていかないと、形ばかり口ばかりになってしまいます。人間はひとつの想いにとりつかれると、その想いを正当化しようとします。ですが、正当化しようとするほど矛盾するようになります。自分の想いをちゃんと点検しなければなりませんし、空論とならないためには実質的なところを見据えなければなりません。



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